授乳期の食事
授乳期のママの食事は、赤ちゃんの大切な栄養源となる母乳のためだけでなく、出産後のママの健康維持や忙しい育児を支える体力づくりのために、とても大切です。ここでは、授乳期の食事のポイントについてお話しします。
授乳期の食事の大切なポイント
母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源。母乳を与えたいと思うママは多いでしょう。また、赤ちゃんのお世話をするためには、ママの健康と体力が不可欠です。ママと赤ちゃんの健やかな毎日のために、授乳期のママは栄養バランスのよい食事をとることが基本です。
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1-1. 授乳期の栄養・食事の重要性
授乳期のママの健康と赤ちゃんの健やかな成長のために、妊娠前と比べて350kcal多くエネルギーをとることが必要とされています。この時期の無理な減量は禁物です。
授乳期に特にたくさん食べなくてはいけない食品はなく、必要な栄養素をバランスよく摂取できるように、主食、主菜、副菜がそろった食事を1日2回以上とることを心がけましょう。
ただし、禁酒が原則です。アルコールは母乳に移行して赤ちゃんの発達に影響を与えます。授乳中は、水や、麦茶などでこまめに水分補給をするとよいでしょう。
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1-2 バランスのよい食事
授乳期のママの食事については、「妊産婦のための食事バランスガイド」が参考になります。食事バランスガイドとは、1日に「何を」「どれくらい」食べたらよいかがわかる食事量の目安で、主食・副菜・主菜・牛乳(乳製品)・果物の組み合わせや適量をイラストで示しています。食事バランスガイドの目安量に加え、授乳期にプラスに摂取してほしい量(付加量)もとれるように、できる範囲で調整するようにしましょう。
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主食:
ごはん、パン、めん類などの炭水化物を主材料とする料理です。授乳中は必要なエネルギーが増えるため、しっかりとるようにしましょう。
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副菜:
ビタミン、ミネラル、食物繊維を含む野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻などを主材料とする料理です。
体を整えるビタミンやミネラルを副菜からしっかりと補いましょう。 -
主菜:
肉や魚、卵、大豆(大豆製品)などのたんぱく質を含む食材を主材料とする料理です。たんぱく質は血液や筋肉をつくる、体の構成に必要な栄養素です。さまざまな主菜を組み合わせて、十分にとることが大切です。
その他、カルシウムが補える牛乳(乳製品)や、ビタミン・ミネラルが豊富な果物も適量をとるように心がけましょう。
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主食:
授乳期における食事の工夫
出産後は赤ちゃんのお世話に追われて、生活が大きく変わる時期です。
食事をゆっくりとる時間もないほど忙しいママも少なくないでしょう。
バランスのよい食事を心がけることは大切ですが、産後に栄養バランスを考えて食事を作ることはとても大変です。少しでもママの負担を和らげることができるよう、食事の準備を含めた家事の分担を決めるなど、家族や周囲の人たちがママをサポートしてあげましょう。
例えば、家電製品を活用した時短料理や作り置きなどの工夫を取り入れたり、冷凍ストックやミールキット、宅配を活用したりすることによって多様な食品を利用することもできます。これによってママ以外の人でも食事を準備しやすくなることがあります。
産後も家族みんなで美味しく楽しく食べられるよう、家族にあった食事づくりの方法をみつけてみてはいかがでしょうか。